印鑑と郵便とIT
公式HPが見られないようになっているというご連絡を数多く頂いております。ご心配をおかけし大変申し訳ございません。
— 竹本直一 (@NaokazuTakemoto) September 12, 2019
現在、https://t.co/Qg0k9lwbiCのドメインを管理している会社からロックがかけられた状態になっておりまして、ただいま復旧作業を進めております。復活までもう少々お待ち下さい。
新しい安倍内閣の科学技術・IT担当大臣に竹本直一氏が就任したということでちょっとした騒ぎになっている。
なんでも「行政手続きの『デジタル化』と書面に押印する日本古来の『はんこ文化』の両立を目指す」とか言ったらしい。
というのも竹本大臣は「日本の印章制度・文化を守る議員連盟(通称:はんこ議連)」の会長のようで、そりゃーはんこ文化をないがしろにはできないだろう。
だが、IT担当大臣でもあるわけで、アナログなはんこ文化を後生大事にしていくものどうなのかな、と思うのだ。
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ところで私が勤める郵便局というのはとんでもないハンコ文化の会社なんである。
入社時も「郵便局はハンコ文化だから必ずシャチハタを一個買ってください」と言われたぐらいで、そこらのバイクに乗っている郵便屋さんのポケットには100%ハンコが入っている。
朝、出社して携帯端末を取ったらハンコ、バイクの鍵を借りたらハンコ、大事なものをしまっておくロッカーの鍵を取ったらハンコ、なんか紙資料を渡されたらハンコ、午前中だけで3~4回はハンコを押す機会がある。
配達に出ても書留やレターパックプラスではハンコをいただくのが鉄則だし(サインでもOKだが)、戻ってきてもハンコがなければ大騒ぎだし、薄くて読めなかったら班長課長が集まって「これはOKかNGか」を協議するような会社である。
はんこ文化古臭いな、くだらねーな、と思っている人に日常的にはんこを使っている私がはんこのいいところを紹介してみようかな。
まず、サインより早く名前が記せるというところだ。
例えば「安倍」さんが書留を受け取った印として配達証に「安倍」とか「あべ」とか「アベ」とか「Abe」とか書くのと、「安倍」のはんこだとを押すのではかなり差がある。
いやいや、そんなに変わらないだろ、と言う人がいるかもしれないが、これが5箇所に書くとしたらどうだろう。
私の担当する会社には毎日10通ぐらいのレターパックプラスが届く会社があるのだが、レターパックプラスの配達証シールに10箇所名前を書くのと、10回はんこを押すのにどれほどの差があるか。
私の担当者は慣れているので、10箇所バンバンバンバンと1秒ぐらいで10箇所間違えずに押す。極稀にいつもの担当者がおらず、別のハンコを持っていない人が受取人になった時は悲惨だ。
10階所にサイン書くって大変だから。
つまり本人を証明するような大事な証明としてのハンコではなく、受け取った人が誰なのか、というのを知らしめるような場面では未だハンコ最強だと思う。
要するに、実印やら本人がきちんと認証するような何か大事なものへの印としてのハンコという意味ではなく、3番の鍵を借りたのは鈴木さんね、というような名前を書く代わりとしてのハンコは超手軽だし、サインより使えるのである。
サインだとくずされると佐藤なのか佐伯なのか佐野なのかよくわからないことがある。
が、ハンコだったらそんな心配なし。誰が読んでも3番の鍵は佐藤が借りたとわかるのである。
ちなみに佐藤一郎さんと佐藤二郎さんが居ても大丈夫だ。今ネットの印鑑通販は手軽に名字名前のパターンを作ってくれるから。
佐川急便さんやヤマト運輸さんは携帯端末みたいなのに、指でサインさせていて、あれはあれでありだな、とは思うのだけどね。配達証を無くす心配がないし、後で検索するのも楽だしね。この手の改革は日本郵便はほんと対応遅いな、と感じる。